shiroxuma’s blog

東京のすみっこで楽しく暮らす20代OL(?)のブログ

会社員は『君主論』を読むべきかもしれない、けれども轟洋介には読んでほしくない

※HiGH&LOW THE WORSTのネタバレを含みます

こんにちはしろくまです。

 

みなさん HiGH&LOW THE WORSTは何回見ましたか?私はまだ5回しか行けてないので、毎回発見があって楽しいです!

www.cinematoday.jp

 上記の記事中にも写真がありますが、HiGH&LOW THE WORSTエピソード0で轟洋介くんが読んでいた『君主論』、*1内容が知りたくて下記の書籍を購入しました。

結論から言うと泣きました。武蔵野線の中で。こんなもの轟洋介に読ませるな!!!!!!!!!!!!!!!!(自発的に読んだんだと思うよ)(なぜよりによってこんなものを読んでいるの轟くん……)(村山さんから「喧嘩が強いだけじゃダメだ」って言われたからだと思うよ)(考え方としては2通り想定できて、①アタマになりたいから読んだ②アタマである村山さんを理解したくて読んだ)(そう、轟洋介を理解したくて君主論を読むオタクのように……)

今すぐ『君主論』を取り上げて『ぐりとぐら』を押し付けたい……。『スイミー』でも可。

 

あまりにも現実的というか性悪説すぎて、「ひどすぎます><」って文系の先輩に直訴したら「(世界史を学んだクラスタは)そういうものだと思ってるから…」と言われた。

 

以下、内容会社員としての感想轟くんの幸せを願う1オタクとしての感想の順に記載します。

 

・第3章 

弱小国にたいして、極端に大きな勢力や権限をもたせないようにすることだ。(略)つぎつぎと強国を叩いていけば、文句なしにこの地域の覇者になれる。

戦争は避けられるものではなく、尻ごみしていれば、敵方を利するだけということを熟知していたからだ。

ほかの誰かをえらくする原因をこしらえる人は、自滅するということだ。

うちの会社はそこまで殺伐としてませんが、部署として生き残っていくため、部長は頑張ってくれているんだろうな~と察しています。あと出世していくとイスも限られるし大変だろうな~一生平社員でいたいな~同期と戦うのとか嫌だな~。

ハイローっぽい世界観だ……。轟くんも圧倒的実力をもってして来る者バッサバッサなぎ倒してますからね。エピソード0で後輩が「そのうちこっちのアタマが挨拶に行くんでw」って話しかけてきたとき、即上段蹴りかましてたのもこういう思想から来てるのかな~。そらビビってみんな「村山さんの下にはつくが轟の下には付かねぇ」になっちゃうよな~……。シーズン2で村山に会いに行ったときは挨拶できてたのに……

 

・第6章

賢い人間であれば、先賢の踏んだ足跡をたずね、並はずれた偉人をこそ、つねに範とすべきであろう。

村山は鬼邪高の初代番長という「並外れた偉人」で、轟くんはここを読んだときどう思ったのかな~。「範」としたのかな~。純粋に「目標、目指すべきもの」では無いと思いますけどね。村山は轟くんをすごく買っていて、轟くんにアタマになってほしかったんじゃないかな~と思います(中の人インタビューの「轟が鬼邪高をまとめてくれるなら卒業してもいいかな」発言より)。轟くんは何を思ったのだろう……。

 

まず改革を目ざす君主が、はたして自力によったか、それとも第三者をあてにしたかを調べなければならない。

会社員的には、個人の能力も大切ですけど協力を集められる能力も同じくらい大切だと思うので、これは参考にならないですね。

鳳仙との決戦前夜に、協力を願い出た楓士雄に対して、轟くんは「お前、鬼邪高のアタマになるんだろ。そんな男が、俺に助けを乞うのか」と聞き返します。君主論のこの部分が頭にあるんですかね。それに加えて轟くんはおそらく「一番強いやつがアタマだ」理論で生きているので、「リーダー=まとめあげる奴」が自ら「自分だけでは力量不足だ」と認めるような真似は意外だったのでしょうね。なんでも自分でやらなくていいんだよ。虐められていたのに周りが助けてくれず、自分の力だけで自分を救ったあの頃とは違うんだよ……(泣)仲間がいるんだからさ……。エピソード0で八木高についてきた辻・芝マンから少しは感じ取ってくれていたらいいな……。

 

それらの危険をひとたび克服し、自分の立場に妬みをいだく連中を滅ぼして、尊敬されはじめると、彼らの勢力は強くなり、安定し、栄光と繁栄をみる。

轟くんはここを読んで「君主=圧倒的強者」だと思っているんでしょうね……。

 

・第7章

これまで一介の市民の境遇でずっと暮らしてきたから、よほどの才能や力量の持ち主でもなければ、人に命令するのがわからないのも無理からぬことである。

ヒラからいきなり管理職になってもね……。管理職研修も必要だよね(うちの部署で管理職に昇進した人、死ぬほど研修受けてて大変そう、がんばれ~)。

サッチーや楓士雄(命令というよりは鼓舞?だけど)は天性の才能でこれができるんだろうなぁ……。村山さんは圧倒的カリスマと数々の苦難を乗り越えながら求心力をつけていったって感じなのかな

 

・第8章

自分の立場を守る必要上、残酷さをいっきょに用いて、そののちそれに固執せず、できるかぎり臣下の利益になる方法に転換する。

恩恵は、よりよく人に味わってもらうように、小出しにやらなくてはいけない。

なるほどな~。会社員としては勉強になる~。自分が、というよりは上長がこういうことしてきたら「あ~そういう手法ですね」って冷静になれそう。

轟くんはさぁ、まだ高校生なんですよ。高校生。犯罪か?私みたいな薄汚れた大人*2からしたら大学生ですら子どもですよ。高校生っておま……。しかも轟くん、中学生の頃はカツアゲに遭っていて、その後鍛え上げて不良狩り始めて、鬼邪高に来て全日制を初日で締めて、、、とここまでまともな人間関係を築いてきていないんですよ。辻・芝マンは傍にいてくれたけど……。だから今楓士雄たちと交流を初めて久々に情緒を養っている最中なんですよ。こんな薄汚れた大人の小手先の人心掌握術なんて目にいれちゃだめ!!!!!!!!みんなと拳でぶつかってきて!!!!!(実際ザワはそういう内容で良かった)

 

・第9章

人間というものは、危害を加えられると信じた人から恩恵を受けると、恩恵を与えてくれた人に、より以上の恩義を感じるものだ。

いざ風向きが変わって、君主がほんとうに市民を必要とするとき、そんな人間はめったに見つかりはしない。

君主は民衆を味方につけなければならない。そうでなくては、逆境にあって対策の立てようがない。

上に同じ。性悪説すぎんか?

 

・第10章

独力で守れる国々とは、豊富な人的資源や財力によって適切な軍隊を備え、いかなる侵略者にたいしても、野戦をいどむことができるものをいう。

ここね、考え方として轟くんは「じゃあ自分の攻撃力上げるか」としか考えられなかったのかもしれない。楓士雄は「パーティを増やすか(ドロッキーにも手伝ってもらおう!)」なんですよね。楓士雄、太陽か……。

 

人間というものは、その本性から、恩恵を受けても恩恵をほどこしても、やはり恩義を感じるものである。

下手に出るタイプの上長、これを狙ってるのかな~。かくいう私もあえて「ポンコツな先輩」を後輩に対して見せることでうまいことやってる(つもり)ときあるからな~。なんとも言えない……。まぁ小手先テクニックですね。

楓士雄は天然このタイプなんだろうな~。助けてあげたくなっちゃうタイプというか。助けてあげたから、好意を抱くというか……。轟くんには無い要素ですが、そこが楓士雄のいいところであり轟くんのいいところだと思います。太陽な楓士雄くんも、ストイックな月のような轟くんも好きです。無理してこんなことしなくていいよ。ありのままの轟くん、好きです(告白)。幸せになってください……(飲酒しながら書いています)。

 

・第12章

かりに逸材であれば、信頼するわけにはいかない。(略)あなたの意志に背いて、べつの勢力まで制圧してしまったり、きまって身の栄達を望むものである。

性悪説すぎんか?(3回目)

選抜した市民が有能でないとわかれば、更迭しなくてはならない。

うーん厳しい。。。。更迭されないように頑張らないとですね(古き良き日系企業なのでそんなこと滅多に無いですが)。

なんとか養える範囲内で、しかも名声を博するのに少人数ですむ騎兵隊にかぎったのである。

たった3人で!?って言われてますが。轟一派、少数精鋭でかわいいですね。辻と芝マン、轟くんの傍にいてくれてありがとう……。ザワでの対村山戦で、興奮する定時制ギャラリーを必死で抑え込んでいる様子泣けます。

 

・第13章

賢明な君主は(略)自国の軍隊に基礎をおく。そして、他国の兵力をかりて手にした勝利など本物ではないと考えて、第三者の力で勝つぐらいなら、独力で負けることを願った。

第6章の「まず改革を目指す君主は~」のところでも書きましたが、轟くんはこれを読んでいたから楓士雄の協力願いにびっくりしたんでしょうね。『書を捨てよ、街へ出よ』(寺山修司)。本ばっかり読んでないで(というか本当になんでこんな本読んでるんだ????????)いまから体当たりで人間関係を学んでいけばええんやで。

ひとたび逆境ともなれば、自信をもって国を守っていく力がないから、なにごとにつけ運命まかせになる。

虐められていた頃の轟くんを救ったのは轟くん自身なんですよね……当時の心境を思うと悲しいなぁ……。力こそすべて、力こそパワー。だからこそ轟くんは圧倒的強さを手に入れたわけですが(対鳳仙で一人だけ勝ってるの面白いでしょ……)、いまはね、仲間がいるからね。よかったね……。

 

・第15章

人が現実に生きているのと、人間いかに生きるべきかというのとは、はなはだかけ離れている。

人間いかに生きるべきかを見て、現に人が生きている現実の姿を見逃す人間は、自立するどころか、破滅を思い知らされるのが落ちである。

会社運営までいくと良く分からないですけど、少なくとも部署レベルで言えば「どうあるべきか」理想論も忘れないべきだと思いますけどね。経営層から言われたことやってるだけじゃ未来無いでしょ。

シーズン2で「鬼邪高のテッペンとる。そんでSWORDのテッペンとる」って夢を描いていた頃の轟くんも好きですよ。高1!!!!って感じで……。というか辻と芝マンはそんな轟くんを見て付いていこうと思ったんじゃないですかね。。。なんか生い立ちというか性格なのか、根がリアリストなのかもしれませんが、高3の轟くんはそれがより一層研ぎ澄まされてしまっているというか……。君主論も現実主義の走りなんですよね?(間違っていたらすみません……)もしかして君主論読んだせいか……?

 

・第17章

人間は、恐れている人より、愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つけるものである。

 君主たる者は、自分の領民を結束させ、忠誠を誓わすためには、冷酷だなどの悪評をなんら気にかけるべきではない。

憐みぶかくて、混乱をまねき、やがては殺戮や略奪をほしいままにする君主にくらべれば、冷酷な君主のほうは、ごくたまの見せしめの残酷さを示すだけで、ずっと憐みぶかい人物になれるからだ。

愛されるより恐れられるほうが、はるかに安全である。

そもそも人間は、恩知らずで、むら気で、猫かぶりの偽善者で、身の危険を振り払おうとし、欲得には目がないものだと。

組織運営していく上でどうしても個々人の意見を組織として却下しないといけないシーンがあって、それをこの間真横で見てしまって「上の人は大変だな~」とひとごとながらに思っていました。私はどちらかというと自我が無い(上の人にやれと言われたらやる)タイプなので、これも場面によっては良かったり悪かったりだと思いますけど、少なくとも上長たちのお手を煩わせるのは申し訳ないな~と思っている聴き分けのいい若手です。若手だからまだあんまり厳しいことを言われていないだけかもしれませんが。

いや~『Ain’t Afraid To Die』って感じですね。この君主像に向かって歩いているような気がするな……ザワ冒頭までの轟くんは……。村山を見てごらんよこんな感じじゃないでしょ……。

 

・第18章

総じて人間は、手にとって触れるよりも、目で見たことだけで判断してしまう。

人間は、いたって単純であり目先の必要性にはなはだ動かされやすいから、だまそうと思う人間にとって、だまされる人間はざらに見つかる。

まったく逆の気質に変わりうる、ないしは変わる術を心得ている、その心がまえがなくてはいけない。

大衆はつねに、外見だけを見て、また出来事の結果で判断してしまうものだ。

就活生向け。

轟くんが何より嫌がっているところですね。単に美しいという点で轟洋介のキャラデザは神だなと思っているのですが、逆にこんな見た目にしないでしょ、と自分の中で理由付けをしている前田公輝神はやっぱり轟洋介の最大手だなと思いました。前田公輝神に金を振り込ませてくれ(オタクすぐ課金したがる……)。

 

・第19章

民衆の厚い信望に支えられているとなれば、どんなに向こう見ずな人間でもとても謀反にはふみきれない。

ここ読んだとき轟くんは何を思ったんでしょうか、厚い信望、どうやって集めればいいんだ……。あ、でも「一番強ぇヤツがアタマだ(司くん)」理論で生きてるなら「よーし片っ端から潰すぞ~」って感じなんですかね。

君主が衆望を集めるには、なによりも大事業(戦争)をおこない、みずからが類まれな手本を示すことである。

あ~こう続くのか~……。これは轟くん「強いヤツを倒せば下っ端はついてくる」と思ってしまいそう……。

 

決断力のない君主は、当面の危機を回避しようとするあまり、多くのばあい中立の道を選ぶ。

私自身決め打ちで「こうする!!」って周りにも宣言するようになって人生うまく行きはじめましたね。そしたら周りも助けてくれるので……。先延ばしにしていいことなんて何もないですよ。「速くやるより早くやる」です。判断なんてサイコロ振って決めたっていいんですよ。大事なのはアタマが「こうする」って言って旗振ることで、そしたら部下たちもそれに向かって一生懸命動けるんですよ。持論ですが。

ここ読んで「よーしいい加減村山倒すか」ってなって冒頭のタイマンに繋がったんですかね~。あとサッチーはここらへんすごいですね。「じゃあ俺が詫び入れてくる(即決)(潔い)」ですからね、有能……。

 

・第21章

実力のある人物を重用し、一芸にひいでた人を賞揚して、みずからが力量ある人に肩入れしていることを示さなければならない。

各自が安心して仕事に従事できるように、勇気づけなくてはいけない。

よくあるリーダー論ですね。前者は年功序列の会社だと難しいですが、金銭的なインセンティブが無い分、意見を重用するとか裁量を与えるとか、マネジメントが問われますね。

団地での戦いで司くんがジャム男を助けていたのが印象的でした。ちゃんと部下を見ている。司くんもリーダーの器あると思うけどなぁ

 

・第22章

側近が有能で誠実であれば、その君主は聡明だと評価してまちがいない。

なんとなく真実だと思いますが、なんでですかね。アホな君主の下にたまたま有能な側近が来たら、すぐ辞めちゃうからですかね。組織論として気になる。

 

・第24章

誰かが助け起こしてくれるような事態は、まず起こりはしない。

・第25章

運命は女神だから、彼女を征服しようとすれば、打ちのめし、突き飛ばす必要がある。

まさにハイロー(の表面部分)って感じ。力こそパワー。治安が悪い。さすがSWORD地区。村を焼かれた窪田正孝。福祉はWhite Rascalsだけ。

鬼邪高にくるまでの轟くんはこういう心境だったんだろうなぁ……。ウッ……。轟洋介幸せになってくれ……(「轟洋介幸せになってくれ……」と言うときの私はクランクアップ?のときの団地前キャスト全員集合写真の中央でめっちゃいい笑顔をしている前田公輝神の画像を思い浮かべています)。

 

轟洋介幸せになってくれ……

 

*1:作中では架空の書籍『アタマのための君主論』となっています

*2:言葉が悪い気もする。大人もいいものですよ。人生が味わい深くなったというか。エモさを感じることが増えました。